エイジングケアの鍵をにぎる表皮幹細胞

幹細胞は、再生医療の世界の話しと思われがちですが、エイジングケアの分野でも植物由来の幹細胞が利用されています。

 

肌の老化を少しでも遅らせ、年齢よりも若くキレイな肌になりたいと願い、加齢や外部からの刺激により不足した成分(コラーゲンやヒアルロン酸など)を化粧品で補うのも大切ですが、細胞をつくる表皮幹細胞が活発に働き、肌の生まれ変わり(ターンオーバー)が正常に行われなければ、健康な肌を手に入れることはできません。

 

ターンオーバー

ターンオーバーとは、肌の奥でつくられた新しい皮膚細胞が、肌表面に押し上げられ、角質となって剥がれ落ちる現象で、約28日〜56日かけて繰り返されます。この周期が正常であれば、肌に蓄積された余分なものを排除し、健康な細胞が肌を満たして行きますが、周期が乱れてしまうと肌トラブルが発生し、肌の老化を早めてしまいます。

 

周期が早くなると未熟な細胞が表に出てしまい、肌のバリア機能が低下することで水分が蒸発して肌が乾燥し、外部からの刺激が肌の奥へ侵入し肌荒れなどのトラブルを引き起こしてしまいます。
逆に、ターンオーバーの周期が遅くなると、メラニンなどの劣化物質が肌にとどまってシミをつくり、古い角層がうまく剥がれ落ちず、肌のゴワつきやくすみ、たるみをつくってしまいます。

 

そのため、美容成分を補給しても、ターンオーバーが正常に機能しないと、美しい肌を手に入れることは出来ません。

 

ターンオーバーの原点「表皮幹細胞」の活性化

 

表皮幹細胞は表皮の一番下にある基底層に存在し、新しい細胞を生み出しています。

 

表皮幹細胞
(出展元:スキンケア大学)

 

ターンオーバーにより肌が生まれ変わるのも、表皮幹細胞が新しい細胞を生みだしているからこそ。肌を構成する成分(コラーゲンやエラスチンなど)も幹細胞が生み出していますが、乾燥や紫外線、加齢などにより表皮幹細胞の働きが弱まるとターンオーバーの周期も遅くなり、肌トラブルや老化の原因を引き起こしてしまいます。

 

そこで、弱ってしまった表皮細胞を植物の幹細胞でサポートしようという研究が、様々な機関で活発に行われるようになり、表皮幹細胞へのアプローチが期待できるコスメは「幹細胞コスメ」と呼ばれ、最新のエイジングケアとして注目されています。

 

幹細胞コスメは、植物の幹細胞を取り入れることで表皮幹細胞と同じような働きを肌に促すと考えられ、また、植物の種類により様々な幹細胞成分が見つかっています。

 

中でも、アルガン幹細胞やリンゴ幹細胞はすぐれた効果が期待され、特にリンゴ幹細胞は人間の表皮幹細胞と相性がよく、幹細胞コスメの代表的な成分として利用されています。